近年、グルコサミンは有名になってきましたが、本当に近年であり、昔から知られているというわけではありません。このグルコサミンがどのようにして発見されたのか、今回はグルコサミンの歴史について紹介をします。グルコサミンの歴史を知れば、知らないで飲むよりも安心して毎日飲み続けることができるでしょう。
グルコサミンとは
グルコサミンは、グルコースにアミノ基が付いた糖の一種類です。軟骨の構成物質であるペプチドグリカンの糖たんぱく質として含まれています。体内で生成されるものであり、軟骨の他に、爪や靭帯、心臓弁などに存在している成分です。
年齢を重ねるごとに生成量は減少するのが解っており、定期的にグルコサミンを摂取することで変形性関節症や関節炎といった関節のトラブルの改善に効果を発揮します。
サプリメントとして摂取するのが一般的ですが、日本ではグルコサミン塩酸塩が、欧米ではグルコサミン流酸塩が主流です。
グルコサミンの歴史
グルコサミンですが、ヨーロッパでは伝統的に関節痛に効果があるものとして、関節炎の治療薬として使用されていました。この関係で日本やアメリカなどよりも、ヨーロッパの方がグルコサミンに関しては先進的な研究が行われています。
古くからヨーロッパでは関節痛や関節炎に効くとされていたグルコサミンですが、本格的に研究が始まったのが1960年代になってからです。そして、ドイツとイタリアでの実験の結果でグルコサミンは関節炎の治療に有効な効果を期待することができると確認されたと報告があり、科学的な効果という裏付けができました。
その後も研究が続き、ニワトリやマウスなどの動物実験などが行われており、1982年にポルトガルでの研究において、人間の変形性関節症の症状緩和の効果の有効性が本格的に臨床試験によって実施、検証されるようになります。
ヨーロッパからアメリカへ
1990年になりますと、ヨーロッパのみならず、アメリカでもグルコサミンの研究が始まります。このアメリカでのグルコサミンの研究ですが、アメリカの医師であるジェイソン・セオドサキス氏が自身の著書の中で、関節炎にグルコサミンが効果のある成分であると紹介したことにより広く知られるようになります。
以来、グルコサミンはアメリカでは人気のある成分であり、ペット、そして競走馬の関節炎治療に対してグルコサミンの処方が始まりました。
日本へ
では、日本に目を向けてみますと、グルコサミンそのものが認知されたのが、ごくごく最近であります。サプリメントに関しては、日本は後進国に分類されますので、グルコサミンに対する認知が遅いというのは仕方のないことではあります。
グルコサミン自体、薬としてはまだまだ新しい分野の物になりますので、日本でさらに認知されるにはもう少し時間が必要となりますが、日本は食事の欧米化に伴い、生活習慣病としての肥満が増えてきています。さらに高齢化社会となっていますので、グルコサミンに関する研究は、今後、普及がとても期待される分野といえるでしょう。
まとめ
グルコサミンに関しては、ヨーロッパでは古くから関節痛改善のために使用されていたものですが、本格的に研究が開始されたのが1960年以降であり、現在も研究の途中です。先進国としてはヨーロッパであり、アメリカでは1990年代に、医師のジェイソン・セオドサキス氏の著書にてブームとなりました。
日本で認知されるようになったのは、本当に近年であり、研究についてもあまり進んではいません。しかし、食事の欧米化と高齢化社会の到来にて、研究と普及が進むと予測されています。
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