グルコサミンの効果に、アルツハイマー病の予防効果があることが近年の研究で判明しています。グルコサミンを摂取することで、健康で文化的な老後を過ごすことができるようになるとして、注目をされています。今回はグルコサミンを摂取することでアルツハイマー病が予防できるのかを紹介します。

アルツハイマー病とは?

アルツハイマー病は、主として知的機能に障害があらわれる病気です。以前は、痴呆全体に占める割合は、脳の動脈硬化や脳梗塞、脳出血などの脳卒中と関連して見られる血管性痴呆の方が高いとされていました。

しかし、近年では欧米並みにアルツハイマー病の方が多くなっているのが現状であり、近年ではありふれた病気になりつつあります。

アルツハイマー病は脳にアミロイドベータタンパクという特殊なタンパク質が蓄積されて、無数の老人班という、脳にシミのようなものが出来ます。さらに神経原線維変化という神経細胞に溜まるゴミのようなものが形成されることで神経細胞が障害されます。

これらは、記憶をするために重要な役割を果たしている海馬と呼ばれる側頭葉の内部から始まるので、物忘れが目立つようになります。アルツハイマー病は日常の出来事から忘れやすくなります。そして、見聞きしたことを少ししたら忘れてしまうようになり、新しく物事を覚えることができなくなるのです。

グルコサミンとアルツハイマー病

グルコサミンといえば、関節痛の改善に効果があるとして飲まれているサプリメントです。しかし、グルコサミンには軟骨を再生させる効果以外にも、炎症を抑制するこうか、血液をサラサラにする効果というものがあります。

そして、近年、アルツハイマー病の予防に効果があるのではと期待されている、オートファジー効果(自食作用)を引き起こす働きがあります。オートファジー効果というのは、細胞の中の大掃除をしてくれる効果と考えてもらえばわかりやすいと思います。

タンパク質はストレスを受けることで変成します。異常な構造を持ったタンパク質、これを変成タンパク質というのですが、これが生成されます。この変成タンパク質が細胞内にタンパク質凝集体が形成され毒性を発揮するわけです。

前項で説明したアルツハイマー病も、このような毒性のあるタンパク質が蓄積されることにより引き起こされるのです。

グルコサミンを摂ることで、起こることが期待できるオートファジー効果は、タンパク質凝集体を分解して、分解されたタンパク質を再利用する作用です。このオートファジーが体内で絶え間なく起こることで、アルツハイマー病の原因であるアミロイドベータタンパクという特殊なタンパク質の蓄積を阻害することが出来ます。

この結果として、アルツハイマー病の予防が可能なのです。

オートファジーとグルコサミン

オートファジーは、カロリー制限をしたり、赤ワインを飲んだり、納豆を食べたりすることで引き起こされるのですが、近年の研究でグルコサミンを摂取することで、他の方法よりもダイレクトにオートファジーを引き起こすことが判明しました。

つまり、グルコサミンは関節痛予防のみならず、将来的にはアルツハイマー病の予防にも使われるかもしれません。

まとめ

アルツハイマー病の原因は、脳に不要なタンパク質が蓄積されることで引き起こされる知的機能障害です。物忘れが激しくなり、新しく記憶をすることが困難になる病気です。

このアルツハイマー病を予防するためには、グルコサミンが有効です。グルコサミンの効果にオートファジーという効果があります。このオートファジーとは不要なタンパク質が蓄積されるのを予防し、細胞を奇麗にする働きです。

つまり、アルツハイマー病を引き起こす原因のタンパク質の脳への蓄積を予防することができ、アルツハイマー病の予防にも効果があります。