コンドロイチンの効果として関節痛の改善などがありますが、例えば、腰痛の改善にもコンドロイチンは効果があるのでしょうか。腰痛に関しては、重いモノを持ち運びする職業の方からデスクワークの方まで、幅広く悩みの種となっていますので、その改善にコンドロイチンはどのくらい効果を発揮するのでしょうか。
コンドロイチンと腰痛
腰痛の原因は様々ですが、例えば、ぎっくり腰ですが、これは腰椎がずれることで腰の筋肉が負荷に耐えられず炎症が起きてしまうことで、痛みが出てきます。慢性的に腰に負担がかかるような姿勢をしたり、骨格が歪んでいたりしますと、筋肉疲労が積み重なり、ある日突然、痛みとしてあらわれるわけです。
コンドロイチンの不足も腰痛の原因になります。コンドロイチンはもともと人間の体内で生成することの栄養成分ですが、加齢と共にその生成量は減少していきます。若いころと比較をすると中高年のコンドロイチンの生成量は20分の1程度まで減少するといわれています。
では、コンドロイチンが不足するとなぜ、腰痛になるのかといいますと、コンドロイチンは関節の軟骨を構成するプロテオグリカンに多く含まれています。この軟骨ですが、固い骨と骨の間でクッションのような役割を果たす非常に重要なものです。例えば、膝には歩くたびに体重の3倍の負荷がかかるのですが、軟骨がクッションの役割を果たし衝撃や摩擦を防ぐのです。
また、軟骨の再生と保水に関してはコンドロイチンが担っており、コンドロイチンが不足すると軟骨に栄養や水がいきわたらなくなるどころか老廃物の排出も困難になります。このような重要な役割のあるコンドロイチンが加齢により不足すると、軟骨はすり減っていくだけで、次第に固い骨同士がぶつかりやすくなり、痛みが現れます。
そして、腰の軟骨である椎間板(ついかんばん)が減少することで、腰椎どうしがぶつかることで、腰痛となります。椎間板は腰の骨の軟骨ですから、コンドロイチンが加齢ともに生成されなくなれば、加齢からくる腰痛に悩まされることになります。
腰痛改善にコンドロイチン
中高年、特に40代以降からは体内でのコンドロイチン生成量は一気に減少していきます。そのため、軟骨の水分保持能力が低下していき、弾力性がなくなりますが、コンドロイチンをサプリメントなどで補給すれば、体内で作られなくなったコンドロイチンを補充することが出来ます。
コンドロイチンが補充されることで、軟骨の新陳代謝が促されるようになりますので、腰の傷ついた軟骨の再生回復が始まります。そのため、コンドロイチンは腰痛の改善にも効果を発揮します。また、コンドロイチンには抗炎症作用もありますので、固い骨同士がぶつかって起きる炎症を抑える効果というものも期待できます。
もちろん、重度の腰痛にはいくらコンドロイチンを摂取しても、効果が表れにくいので、軽度~中度の腰痛のときにコンドロイチンのサプリメントの利用をおすすめします。
コンドロイチンの注射
コンドロイチンを直接、腰に注射する治療方法があります。コンドロイチン注射というのですが、痛み止めに効果があります。
ただ、このコンドロイチン注射に関しては、自由診療になってしまい、保険が効かない金銭的なデメリットがありますので、鎮痛剤を飲んでも一切効果が現れない頑固な腰痛のときには試してみるといいでしょう。
また、余談ですが変形性関節症、脊髄関節症が原因の腰痛に関しては、グルコサミン-コンドロイチン硫酸の投与が効果あり、と欧州リュウマチ学会が発表しています。
これは、12週間以上継続して腰痛の症状がある40~65歳の被験者を対象に、グルコサミン-コンドロイチン硫酸が500mgずつ配合された薬を投与したころ3ヶ月程度で痛みが改善したという結果です。
つまり、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントを摂取することで、軽度~中度程度の腰痛の改善に効果が期待できるといえます。
まとめ
コンドロイチンの不足により、軟骨を構成するプロテオグリカンが作られなくなります。プロテオグリカンは軟骨の保水力を保つためには欠かすことができず、コンドロイチンにより、軟骨へ栄養や水分を与え老廃物を排出しますので、コンドロイチンが不足すると栄養の行きわたらない軟骨はすり減る一方となります。
そして、腰痛の原因の1つが腰の軟骨である椎間板の摩擦です。コンドロイチンを摂取することで、腰の軟骨である椎間板の新陳代謝が図られすり減った椎間板が回復します。また、コンドロイチンには抗炎症効果もありますので、痛みを抑えることが出来ます。